事業内容

建築・土木

調査事例

検査済証未所得建物の構造調査

1.調査目的

神奈川県S市の広い工業団地内で同一敷地に複数棟がある工場建築です。45年ほど前に開発され、何年かに分けて建築された鉄骨造の平屋から3階建て、延床面積は大きなもので5,000uを越す20数棟が整然と並んでいます。このほど一部建物を建て替えあるいは改修をすることになりました。そこで確認検査機関に申請したところ、検査済(適合通知)証のない数棟については、建築基準法第12条5項(特定行政庁は、建築基準法の規定による処分に係る建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する台帳を整備するものとする。)に基づき、構造(現況確認)調査を求められました。

2.調査内容

構造調査の対象は大きな建物3棟と付属小屋の数棟からなり、内容は棟によって異なりますが増築部、付属建屋を含み、基礎や建物、主要部材の寸法測定から、コンクリートコアサンプリング試験、RCレーダー等による配筋調査結果に基づく設計図書との照合、構造図の作成、構造検討や耐震診断等と総合的かつ多岐に渡るものでした。調査方法も多岐に渡り、最新調査機材を総動員しました。調査は弊社の一級建築士を責任者として、溶接超音波探傷試験資格者や配筋探査資格者、コンクリート診断士、エックス線作業主任など10人以上が連日入れ替わり現場に赴き、工程どおり調査を終了させました。

3.調査結果

調査結果については、設計図書と現況の照合で大きな相違はありませんでした。鉄骨部材や配筋調査でも所定の鉄筋等が確認され、コンクリ−トの強度や中性化についても大きな問題はありませんでした。構造については一部に軽微な指摘事項が出ましたが、是正処置により問題は速やかに解消しました。
このように複雑で信頼性を求められ大きな案件であっても、弊社は検査・調査のエキスパートとして優秀な資格者と経験者を揃えており、すべてを自前の技術者で行うことができます。既存建物の用途変更や増築、検査済証の紛失に伴う各種調査や、半地下車庫や擁壁の構造検討などをお引き受けいたします。

 

公共建築物(温室等)の総合劣化診断調査

1.調査目的

神奈川県A市の台地にある大規模公園内の公共建築(温室等)です。緑と花の博覧会が20年ほど前に開催されたとき建築された鉄骨鉄筋コンクリート造のアトリウム棟と鉄骨造の温室棟、鉄筋コンクリート造の設備機械棟の3棟からなります。現在も休日を中心に家族連れで賑わっています。しかしながら建物は完成後、補修はされていましたが本格的な修繕は行われず劣化が、表面的にもかなり見られるようになりました。このため、大規模修繕をはじめて実施することになり、その事前準備として建物だけでなく設備も含め、総合的かつ詳細に劣化診断調査を行うものです。

2.調査内容

アトリウム棟と温室棟は一体で構成され、床面積は3000uに近い大きなものです。温室が過半を占め、外壁と屋根の半分以上はガラス張りの特殊な建築物です。仕上材は、コンクリート打ち放し、タイル、吹付け、人造石など多様です。植物に散水するための給排水施設も複雑で、冷暖房設備もあります。これらの特性と公共建築であることから、弊社の一級建築士などが事前調査を実施して調査計画書を作成し、関係者と綿密に協議しました。その結果、建築の調査対象は外壁、床面、鉄骨、ガラス面を含む屋根防水(シーリング含む)、雨水排水、内壁、天井裏、建具関係と多岐に渡りました。設備は、電気と機械(空調、給排水衛生)に分け、多数の照明器具から、冷温水発生器、ポンプ類、ヒーター、配管、水槽等の各機器類となりました。調査方法は、建築、設備ともに専門技術書による目視を中心に打診と触診に、タイルや塗装面の付着力試験を加えました。

3.調査結果

建築物が特殊な上に規模が大きく、使用資材も多様で、加えて対象箇所が多く、調査に日数を要しました。更に、建築ではひび割れや漏水、浮き、シーリングの破断など、設備では非常灯のバッテリー切れ、配管類の腐食、異音など経年劣化あるいは更新周期超えと推測される不具合が多く、調査報告書も分かり易いよう図面や写真を多く載せ250ページ以上の充実したものになりました。
弊社は庁舎やホールなどを含む、難易度の高い公共建築物についても安全、公正かつ正確に劣化診断調査を行っています。

 

マンション外壁調査(剥離落下関連)

1.調査目的

東京都A市のB駅前にある13階建ての約100戸のマンションです。構造は鉄筋コンクリート造で、外壁は全面タイル貼りの高級感ある仕上げです。しかし、建築後5年しか経過していないにもかかわらず上層階のタイルが剥離して、落下寸前になりました。駅前ですから下には歩行者が多く、万一のときは大変な人身事故になり、管理組合も責任を問われる恐れがありました。
このため組合は、応急の落下防止処置を剥離部分に行うと同時に、この他の箇所にもタイルの浮きや剥離がないか調査をして、修復に万全を期すことになりました。

2.調査内容

弊社は、直ちに現場に出向き事前調査を行った結果、浮きなどの不具合が広範囲に予想されました。このため事故が再び起こる可能性があり、本調査を急ぎ、駅前の特性から歩行者の安全を確保でき、信頼性の高い全面打診をすることが決まりました。具体的には、手が届かない場所の打診には足場の設置期間や費用から退けられる方法として、検査員がロープ吊りにより、供用廊下等は手を伸ばすなどにより行うことにしました。そして東西南北すべての面を、目視ならびに打診により調査しました。
また、一級建築士事務所の特性を発揮してタイルの剥離原因を探り、修補方法を検討するための調査を加えました。

3.調査結果

安全に十分留意しつつ短期間に全面打診調査を終わらせるため、責任者に一級建築士を当てました。専門技術を必要とするロープ吊り検査は、6名を動員、経験豊かな技術員と総勢10名で実施しました。不具合箇所が予想以上に多く、調査作業時にも報告書の作成時にもかなりの労力を要しました。目視と打音調査は、見落としが生じないよう万全を期して行うことができ、さらに建築士による下地モルタルの観察や現場の浮き状況などから剥離原因を特定することができました。
このように期間が短いなど制約の多い調査においても弊社は総合力を発揮して、迅速かつ適切に対応します

 

海岸擁壁のコンクリート構造調査

1.調査目的

A県B市の相模湾に面するサーファーで賑わう海岸にある延長約1.5qの擁壁です。鉄筋コンクリート造とコンクリート間知石積み部分からなり、上部は交通量の多い道路となっています。この道路の災害防除工事設計の一環としてコンクリートなどの劣化状況を調査するものです。いつも潮風にさらされ、荒天時には波を直接受ける厳しい環境下にあります。このため、鉄筋コンクリート造部分ではすでに鉄筋が錆び、爆裂、露出しているところもあります。

2.調査内容

道路の全長に渡り、鉄筋コンクリート造部分のひび割れ状況や深さ、爆裂、コンクリート間知石積み部分の目字詰め状況、剥がれなどの劣化具合を調査しました。コアボーリングを行い、コンクリート圧縮強度と中性化に加え、海岸沿いのため塩化物含有量試験をしました。また、鉄筋コンクリート造部分について、浮きなどのない建全部も含め鉄筋の腐食具合を、非破壊で広く把握するため、自然電位法により調べました。これはコンクリートの中で鉄筋が腐食すると変化する鉄筋表面の電位を測定することにより、鉄筋腐食を確率で判定し、腐食のし易さを現す電位分布図を作成するものです。なお、電気的導通のためコンクリートを一部はつり、鉄筋を露出させる必要があります。

3.設計結果

劣化状況調査、コアボーリング調査、鉄筋腐食度調査と順調に進み、報告書としてまとめ、委託された目的を達成することができました。 特に自然電位法による鉄筋腐食度調査は、電気的導通のため一部をはつるだけで、広い範囲の腐食に関る健全度を非破壊で診断できることが実証されました。

 

特殊建築物等の定期調査・検査報告の増加

特殊建築物等の調査・検査

建築基準法により、
@特殊建築物等
A昇降機、遊戯施設
B特殊建築物

等の建築設備については、その所有者あるいは管理者は、安全を確保するために一級建築士等に定期的に調査・検査をさせて、その結果を特定行政庁に報告するものと定められています。

調査・検査が必要な理由

大きな事故を未然に防ぐために、
@火災が起きたときに、安全に逃げられる廊下、階段、出入口が確保されているか
A増改築や模様替えなどにより、安全性が損なわれていることはないか
B非常口の扉などが、錆びてその役目をはたせなくなっていないか
C避難のための通路、階段などが、確実に使用できるか
D外壁タイルなどが古くなって落下する危険はないか

などです。

調査項目

実際に検査・調査をして特定行政庁に報告する事項は、
@地盤、周囲の地形、擁壁、避難通路など敷地の状況
A基礎、土台、柱、梁、壁、床、外壁、広告塔、看板などの構造体や落下危険物の状況
B外壁の防火構造や防火区画、内装材料、廊下、通路、バルコニー、非常用進入口などの耐火構造・避難施設等の状況
C採光、換気設備の状況

など多岐に渡ります。

私達は、百貨店(デパート)や量販店(大型店舗)、ホテル、ショールーム、マンションなどの対象建築物について、設備も含め実績を重ねています。その上、検査・調査会社の強みを発揮して、外壁であれば目視・打音から赤外線まで、何か問題があればその詳細な調査、補修方法の提案まで一貫して自社で行うことができます。

定期報告が必要な建築物や報告時期などの詳細は県や市によって異なりますので、まずはご相談ください。

 

商業ビルの耐震改修の設計

1.設計目的

対象建物は、A県B市の市街地(駅前)にある地上4階(PH1階)建てのテナント商業ビルです。そして、いわゆる新耐震以前(1983年:昭和58年)に建築された鉄筋コンクリート造のラーメン構造です。約半年前に弊社が建物調査を含む耐震診断を受託しました。
管理状態は良好で、外壁などを含め構造体の劣化はほとんどありませんでした。しかし診断結果は、「耐震性に疑問あり」となり、補強を行う必要があると判定されました。このためお客様は、建物が繁華な駅前にあり鉄路に隣接していることやテナントが営業中であることなどから耐震改修が早急に必要と判断され、設計を弊社に委託されました。

2.設計経過

弊社はまずお客様と耐震診断の結果から改修後の耐力目標を設定しました。そして現在のテナントの使用状況、部屋配置、営業時間などを詳しくヒアリングさせていただきました。これを加味して補強可能部分(柱、梁、壁等)とその位置・方法(内外壁、柱・梁補強、新設・増し壁、免震構造等)、施工日数・時間などを具体的に検討しました。
改修工事は通常、テナントが営業を続けながら夜間あるいは休日に行うことが多く、資材の搬入や工事自体の制約が多いものです。このため、構造計算の結果を単に改修設計図としてまとめるだけでは使用上の支障や施工時に問題が生じることもあります。
補強方法が正しくとも工事不可あるいは割高になってしまうこともあります。このような事態が生じないよう、弊社は物件ごとに統括設計士を置き、意匠と構造の整合や調整などを綿密に行っています。

3.設計結果

構造計算の結果から補強位置や方法が、テナントとの協議による何度かの変更を経て、現場の状況や工事の難易度も加味して決定されました。その主たる内容は、1階については、耐震壁の増し打ちと壁の新設、柱の巻き立て補強となり、2・3階については、耐震壁の増し打ちと壁の新設となりました。加えて塔屋上の水槽についても固定部を補強することになりました。
補強箇所が多かったにもかかわらずタイル張り外壁への影響も、テナントの使い勝手が悪くなるようこともなく改修設計がまとめられました。
このように弊社は事務所ビル、商業ビル、マンション、身体障害者療護施設、幼稚園、戸建住宅と各種用途や、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造とあらゆる構造物の耐震診断と改修設計を一貫して、首都圏をはじめとして関西、中部圏で広く受託しています。

  

お寺の耐震補強に伴う木造仕口調査

1.調査目的

東京都内の有名なお寺で耐震補強を行うことになり、A大学の委託者が現在の状況を調べることになりました。軸組みは外観で図面化できますが、重要な仕口が分かりません。弊社は相談を受け、この調査に参加することになりました。

2.調査内容

弊社は委託者から調査対象物や撮影環境についてお聞きし、X線撮影をご提案しました。電源が少なく、狭い空間での撮影になることなどからバッテリー式小型放射線発生器を現場に持ち込みました。

3.調査結果

調査結果は良好で、仕口の解明に大変有効なことが判明しました。

オフィスビルのひび割れ原因調査

1.調査目的

A県A市のオフィスビルが、新築3, 4ヶ月にもかかわらずコンクリート打ち放し仕上げの外壁に何本かのひび割れが発生しました。その後、雨天時に、この部分から漏水するようになり、加えて、室内の梁にもひび割れが見られるようになりました。
オーナーは完成後1年足らずで、このような不具合が生じたことに大きな疑問を抱き弊社に相談されました。弊社は現状から原因と考えられることを推測して「調査計画」を提案し、ご了解いただき、各種調査を実施しました。

2.調査内容

「建物構造調査」として実施した内容は、
(1) 高所作業車も使用した目視と打診によるひび割れの実態調査
(2) X線撮影や電磁波レーダによる配筋調査(鉄筋径、間隔、かぶり厚さ等)
(3) コア採取法によるコンクリート圧縮強度試験
(4) 鉄筋コンクリート造で直接基礎のため水平レベル測量
(5) 設計図書間の照合と構造計算書の検証
でした。

3.調査結果

この調査の結果、多角的に実態が把握でき、いくつかの原因も想定できました。
この報告を受け、オーナーは現在法律専門家とも相談しながら、当該建物の設計者や施工者と鋭意協議中です。

関連リンク


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